スペインワインの産地と格付け、覚えておきたいぶどう品種2選

こんにちは、ソムリエのいちごです。

この記事ではワインを始めたばかりの方がまず知っておいた方がよいスペインのワイン産地、ワイン法、ぶどう品種などについて書いています。

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スペインワインの概要

スペインワインは、世界でもトップのワイン産出国として知られ、多様な気候と地理的条件が織りなす独特の風味と特性を持っています。

スペインは世界でもっともワイン用のぶどうを栽培している国です。

スペイン 96万ヘクタール

フランス 79万ヘクタール

イタリア 70万ヘクタール

ちなみに日本はというと2390ヘクタールです。

そして軽めの白ワイン、しっかりめの赤ワイン、酒精強化ワインなどさまざまなワインを造っているのも特徴です。

スペインのワイン産地は、大きく分けて大陸性気候の内陸部と、地中海性気候の沿岸部に位置します。これらの気候差がワインの特性に大きな影響を与えています。

土壌の面では、スペインは石灰岩、火成岩、砂土など多様な土壌タイプを持っており、それぞれの土壌がぶどうの栽培に異なる影響を与えます。特に石灰岩は、酸度とミネラル感を強調する効果があり、多くの高品質ワイン地域で見られます。

これらの気候や土壌の特性は、テンプラニーリョやアルバリーニョといった独自のぶどう品種と組み合わせることで、スペインワインの個性を生み出しています。

主要なワイン産地

リオハ(Rioja)

スペイン北部に位置するリオハは、スペイン最大のワイン産地です。

エブロ川流域に広がるこの地域は、赤ワインの生産が特に有名で、主にテンプラニーリョ種のぶどうを用いた熟成ワインが評価されています。

リオハは、スペインの原産地呼称制度「デノミナシオン・デ・オリヘン」の中で、最上位カテゴリー「D.O.Ca.」に分類される地域であり、その品質と伝統を保証しています。

プリオラート(Priorat)

プリオラート(Priorat)は、スペイン北東部地中海沿岸のカタルーニャ州に位置する、高い評価を受けるワイン産地域です。

特有の土壌がワインに独特のミネラル感をもたらします。

主に赤ワインが生産され、ガルナッチャカリニェナ種を中心に栽培されています。

独特の地形と気候により、高い濃度と力強い味わいのワインが生まれます。

スペインで最高の原産地呼称であるD.O.Ca.の認定を持つ、非常に限られた地域の一つです。

D.O.Ca.はリオハとプリオラートだけ。

リアス・バイシャス(Rias Baixas)

リアス・バイシャス(Rías Baixas)は、スペイン北西部のガリシア地方に位置するワイン産地域です。

この地域は特に白ワインの生産で知られ、主にアルバリーニョ種のブドウから作られるワインが評価されています。

リアス・バイシャスの気候は大西洋の影響を強く受け、湿度が高く冷涼であるため、生産されるワインは鮮やかな酸味と独特のミネラル感が特徴です。

アルバリーニョのワインは、シーフードや魚料理との相性が特に良いとされています。

リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)

リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)は、スペイン中部のカスティーリャ・イ・レオン地方に位置する著名なワイン産地域です。

この地域は、テンプラニーリョ種を主体とした赤ワインの生産で特に知られています。

リベラ・デル・ドゥエロのワインは、深い色合い、強いタンニンが特徴の力強いフルボディの赤ワインを生産しています。

地域の気候は大陸性で日中と夜間の気温差が大きいため、ブドウの成熟度と酸味のバランスが取れています。

ペネデス(Penedès)

ペネデス(Penedès)は、スペイン北東部のカタルーニャ地方に位置するワイン産地域です。

特に、スペインを代表するスパークリングワイン「カヴァ(Cava)」の主要な生産エリアとして国際的に知られています。

ペネデスは地中海の影響を受けた気候を持ち、マカベオ、パレリャーダ、チャレッロというブドウ品種を中心に栽培されています。

この地域の土壌と気候が生み出すブドウは、カヴァの繊細な泡立ちとフレッシュな風味を形成します。

カヴァは伝統的なシャンパン方式で製造され、高品質なものから日常的なものまで幅広く生産されています。

ヘレス(Jerez)

ヘレス(Jerez、正式にはJerez de la Frontera)は、スペイン南部のアンダルシア地方に位置する、シェリーと呼ばれる独特な酒精強化ワインの発祥地です。

この地域の熱く乾燥した気候と特有のアルバリーザという石灰質の土壌が、シェリーの特性を形成します。

シェリーは、発酵後にブランディを添加し、特有の「ソローラ」システムという熟成法を用いて製造されます。

ヘレス地域では様々なスタイルのシェリーが生産されるが、フィノ、アマンティラード、オロロソなどが主なものです。

スペインワインの格付け


スペインワインは、その品質や生産地に応じていくつかの格付けに分類されています。

  1. V.P. (Vinos de Pago): これは畑単位の最上級の認定で、特定の畑のワインだけがこの称号を持つことができます。2019年現在で19地域あります。
  2. D.O.Ca. (Denominación de Origen Calificada): これは最も高い品質を持つワイン産地を指し、スペインでこの称号を持つ地域は限られています。リオハとプリオラートだけがこのカテゴリに該当します。
  3. D.O. (Denominación de Origen): これはスペインの主要なワイン産地を示す認定で、特定の地域性や品質基準を満たすワインのみがこの称号を持つことができます。リベラ・デル・ドゥエロやリアス・バイシャスなど2019年現在68の地域が認定されています。
  4. V.C.I.G. (Vinos de Calidad con Indicación Geográfica): このカテゴリは特定の地理的なエリアと関連した品質ワインを指し、D.O.に次ぐ品質を持つワインを示すものです。
  5. Vino de la Tierra: これは特定の地域を示すもので、D.O.やV.C.I.G.ほどの厳格な基準は要求されませんが、それでも一定の品質基準を満たしています。
  6. Vino: これは基本的なテーブルワインを指し、特定の地域や品質基準に縛られることなく生産されたワインを示します。

代表的なぶどう品種2つ

スペインワインのぶどう品種はぜひともこの2つは覚えておきましょう。

テンプラニーリョ

アルバリーニョ

まとめ

本記事では、スペインワインの産地、格付け、代表的なぶどう品種について紹介しました。

スペインはワイン生産国として広大な産地を持っており、各地域で個性的なワインが生産されています。

品質については、厳しい格付け制度により保証され、品質の高さから世界中で評価されています。

代表的なぶどう品種には、テンプラニーリョやアルバリーニョがあり、これらはスペインワインの魅力を象徴するものです。

スペインワインはその豊かなバラエティと花街道される品質により、他のワインとは一線を画す存在となっています。

是非、様々なスペインワインを楽しんでその魅力を堪能してみてください。

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この記事を書いた人

J.S.A.認定シニアソムリエ。ワインについてもっと学ぶこと、旅行、ドライブに情熱を注ぎ、世界が提供するものを探求するのが大好きです。ワインは初心者にとって敷居が高いものだと理解しているので、ワインを楽しみ始めたばかりの人たちのために、わかりやすいワイン情報を伝えたいと思います。一緒にグラスを傾けて、ワインの世界を楽しみましょう。

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